少しハニカム構造体

ふみのつれづれ

信玄餅と利き自転車

とにかく私は運動オンチで、まあそれと言うのも私が3歳とかそのくらいの頃に生死の境をさ迷うような大ケガをして、市内の病院では処置のしようがなく途方に暮れた両親がソロバンで八卦の占いをする人のところに行って「この子は将来人の上に立つ人になるから絶対に助けなきゃダメ。助けるには医大の付属病院に行きなさい」と言われてその通りにして助かった、という経緯があり(助けなきゃダメって言われてなかったら助かってなかったのかと考えるとちょっと複雑だが)、小学校中学校と自己申告で体育は見学できるという特権が付いて回ってたくらいなので(とは言ってもその権利を行使したことはほとんどなかったが)、まあ、推して知るべしなのである。

で中1のころ、新しい自転車を買ってもらった。小学校3年生くらいに買ってもらった最初の自転車は、補助輪を外すのに2年くらいかかったので、中1の私の運転技術もどの程度だったのかよくわからないが、補助輪なく自転車を乗り回せる快感と新しい自転車を買ってもらった嬉しさもあったのだろう「坂道を下る時にスピードを出して前輪のブレーキをかけたらホントに前のめりに一回転しちゃうのか」を実際に確認してみたくなった(よい子は絶対マネしないように!)。ある日曜の早朝、郷里のかなり傾斜のキツい坂道でそれを実行してみた(よい子は絶対マネしないように!)。すると自転車は止まらずそもそも前輪のブレーキがほとんど効いていないらしいことに気づく。自転車屋さんに行ったら、自転車屋さんが前輪のブレーキを調整し忘れて、買ってからしばらく私はほとんど前輪のブレーキが効かない状態で後輪のブレーキだけ使って乗っていたらしいことが判明する。

中1にもなってなんたるバカ、と思えるほどに今はオトナだけれど、そういう身体的危険に挑むことはそれきりしなくなった反面、やっぱり自分で実際にやってみて確認しないと気が済まないという性格は治ってないみたいで、たとえば自分は正論だと思っているけれど言ったら上司が怒るだろうなあというようなことをとりあえず言ってみて怒るかどうか確認する、とか、そういうことは今でも日常茶飯事。

職場で私に割り当てられたロッカーが上下2つで、上は私物用、下はつい最近まで休憩時間にみんなでお茶するときに食べるお菓子といったように共用のものを入れてあるのだけれど(なにしろ私がお菓子係だったので)、今朝出勤して、上の私物用のロッカーをがさごそしていたら、手前にあったインスタントコーヒーの瓶が落下、左足の甲に激突する。今もちょっと痛いけど、腫れてもいないし、ましてや歩けないとかそういうわけではない。うわあ危ないなあ、と、早速ロッカーの中を整理してインスタントコーヒーの瓶を下に移す。

休憩時間にお菓子を食べる習慣は諸々の事情で今はなくなってしまったのだけれど、それでも誰かがお休みにどこかに行ってきた時とかにはかならずお土産がある。今日夏休みから復帰した上司Aのお土産は「信玄餅」。私は帰郷するといつも「かもめの玉子」。誰かが「またコレですか。たまには違うものを食べたいです」って言い出すまで続けるつもり。

20年ぶりで食べた信玄餅はパッケージは全く変わってなかった。20年前はそのへんに粉を撒き散らしたものだったが思いのほか簡単にキレイに食べられて、私もオトナになったもんだなあ、と思う。

ところで、自転車のペダルに片足のっけてつつつっと走りながら乗るあの乗り方に名称はあるのたろうか。その時どっち側から、どっちの足をかけるかは人によって決まっている気がするが、それに名称はあるのだろうか。たとえば「利き自転車」とか。