少しハニカム構造体

ふみのつれづれ

熱風

長い間全く目を通していなかった本を手にとってぱらぱらめくってみる。書名と作者はナイショ。企業秘密。フシギなことにその本を初めて手にした時の感覚の残像みたいなものがなんだかリアルに蘇ってくる。あの時味わった、活字がページがキラキラと迫ってくるような感覚が今もある。なのに当時自分が何をしていたかとかどういう環境にあったかは全くといっていいほど憶えていないところが、なんだか私らしいなあと思う。

日本の最高気温の記録が更新されるような暑さがやっと一段落したという時になって、やっと、職場の障害者さんたち向けに熱中症への注意を書いたペーパーを作る。私の体調もイマイチだが、私の立場としてそんなことも言っていられない。なんだか核心を告げられないままの何かに否応なしに巻き込まれていくような最近。まあこれが組織の末端の者に課せられた大袈裟に言えば宿命なんだろう。そんなことにも慣れちゃったちょっとなんだかなあという自分がいる。

他人のワガママにはいはいと付き合ってみる。優しいお姉さんを演じてみる。世界をこじ開けるのに、そういう方法もぜったいアリだから。