少しハニカム構造体

ふみのつれづれ

家を建てたい

さいきん、家を建てたい、と猛烈に思うようになった。実家の土地に自分の家を建てる。今の実家は、住むのにはちょっと不便なのだ。終の棲家が欲しいとはさらさら思わないが、まあ、基地がもうひとつあってもいいかなあ、あった方がいいなあ、と。私の財産は本だけなので、本をしっかり収納できる家。CDは言うほど持っていないし、楽器もと言いたいところだが、財産と呼べるほど愛着ある楽器を持っているわけでもないので。

それでなくとも仏壇があるので、私には、少なくとも仏壇を何らかの形で管理しないといけないという重大なミッションが課せられているわけだ。デジタルなご時世、仏壇なんてバーチャルでいいとも思わなくもないが、民俗学が好きな私がそれを許さない。物理的な仏壇があって郷里の風習にいくらかなりとも則って、お盆なりといった年中行事を恙なく遂行したい。

お盆に郷里に帰って、叔母と、うちの家と土地について話をする。叔母もいい年なのでこれからのことがいろいろ気になるらしい。自分のこと、自分の家のこと、連れ合いのこと、2人の娘のこと。鬼籍に入るということについては年齢の順を想定してばかり話をするので(つまり、叔母の頭の中では私の母が最初ということらしい)、誰が先に死ぬかなんてわからないじゃないですか、と私は言う。

姓名判断だったか手相だったか、ずっとずっと前に見て貰ったことがあって、それによると私は肉親の縁は薄いがそれでも晩年は孤独にはならずたくさんの人に囲まれた生活を送ることになる、という話を私は何故か信じきっていて、人が集まれる家がいいなあ、とちょっと思う。

お休みだった今日、病院に行って血圧の薬を貰ってくる。血圧を測ってみるといくぶん高いらしい。病院から戻ってきて喫茶店にいると、郷里の保険の外交員さんから実家の火災保険の更新についての電話がかかってくる。今度郷里に帰ったら手続きしないと。だが私の頭の中はそんなことより、郷里から東京に戻ってくる日が日曜日なので生ゴミをどう処分してくるかが気がかりなのであった。